インプラントは虫歯になる？知っておきたいリスクと予防法
インプラント治療は、失った歯を補う方法として広く普及しており、機能面や見た目が天然歯に近いことから、治療の選択肢のひとつとして注目されています。しかし、インプラントを入れたあとに「これって虫歯になるの？」と疑問を抱く方も少なくありません。実際のところ、インプラントには天然歯とは異なる特徴があり、それによって起こりやすいトラブルや注意すべき点も異なります。今回は、インプラントが虫歯になるかどうかという疑問を出発点に、その違いやリスク、予防のためのケア方法について解説します。
1. インプラントは虫歯になる？天然歯との違いとは
インプラントは、人工物であるため、天然歯のように虫歯になることはありません。しかし、虫歯のような症状が起きる可能性はゼロではなく、特に「インプラント周囲炎」には注意が必要です。まずは、天然歯とインプラントの違いを知ることが大切です。
①虫歯にはならない
インプラント自体はチタン製の人工歯根とセラミックなどでできた被せ物で構成されているため、虫歯菌によって溶けることはありません。
②インプラント周囲炎のリスク
インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲にある歯ぐきや骨に炎症が起こる歯周病に似た病気のことを指します。プラーク（歯垢）が原因となり、進行するとインプラントがぐらついたり、最悪の場合には抜け落ちてしまうこともあります。
③天然歯との構造の違い
天然歯は歯根膜というクッションのような組織で支えられていますが、インプラントにはそれがなく、骨と直接結合しています。そのため、炎症が起こるとダメージが広がりやすい特徴があります。
④神経がないため症状に気づきにくい
天然歯は神経が通っているため痛みを感じやすいですが、インプラントは痛みなどの感覚がないため、異変に気づきにくいのも特徴です。
⑤歯ぐきの変化に影響されやすい
加齢や歯ぐきの退縮によって、インプラントの土台部分が露出し、プラークがたまりやすくなることがあります。
インプラントは虫歯にはならないものの、特有のリスクがあるため、天然歯とは異なる視点でのケアが必要になります。
2. インプラントに起こりやすいトラブルとその原因
インプラントは虫歯になる心配は少ないとされていますが、注意すべき点も存在します。むしろ、適切な管理が行われていない場合にはさまざまなトラブルが生じる可能性があります。ここでは代表的なトラブルとその原因について解説します。
①インプラント周囲炎
最も多いトラブルがこのインプラント周囲炎です。原因はプラークや歯石の蓄積で、歯ぐきに炎症が起こり、やがて周りの骨が溶けることがあります。自覚症状が出にくいため、進行するまで気づきにくいのが特徴です。
②被せ物の破損やゆるみ
セラミック製の被せ物は、強い衝撃や長年の使用によって欠けたり、固定のねじがゆるんでしまうことがあります。噛み合わせの力が強い方や、歯ぎしりの癖がある方は特に注意が必要です。
③インプラント体の破損
まれに、インプラント本体（チタン製の歯根部）が破損することもあります。金属疲労や過度な力の集中が主な原因とされます。
④骨の吸収
インプラントの周囲に炎症が起こると、骨が溶けてしまい、インプラントが不安定になることがあります。骨の吸収が進行すると、再手術が必要になることもあります。
⑤噛み合わせの異常
天然歯とは異なる硬さや噛み合わせのバランスにより、周囲の歯や顎に負担がかかることがあります。結果として、顎関節症のリスクが高まることもあります。
これらのトラブルは、毎日のセルフケアと歯医者での定期的なメンテナンスを習慣づけることで、未然に防げる可能性が高まります。
3. インプラントを長持ちさせるための予防対策とケアの方法
インプラントは長期的に使用することが可能ですが、そのためには毎日のセルフケアと定期的な専門的ケアの両方が重要です。以下に、インプラントを長く安定して保つための対策を整理します。
①毎日の歯みがきの徹底
インプラントの周囲にもプラークはたまります。特にインプラント周囲炎の予防には、丁寧なブラッシングが欠かせません。歯ブラシに加え、歯間ブラシやフロスも使って清掃を行いましょう。
②やわらかめの歯ブラシと低研磨性の歯みがき粉を使用
インプラント周囲の歯ぐきはデリケートなため、刺激の少ない道具を選ぶのが望ましいです。やわらかめの歯ブラシと、低研磨性の歯みがき粉の使用が推奨されます。
③定期的な歯医者でのメンテナンス
治療後も3か月〜半年（当院では3か月を推奨）に1回は、歯医者でのプロフェッショナルケアを受けることが推奨されます。噛み合わせのチェックや清掃により、トラブルの早期発見の可能性が高まります。
④生活習慣の見直し
喫煙は血流を悪化させ、インプラント周囲炎のリスクを高めます。また、過度の飲酒や夜更かしなども免疫力低下につながるため、健康的な生活習慣の見直しが重要です。
⑤強すぎる噛みしめや歯ぎしりへの対応
歯ぎしりやくいしばりは、インプラントに過剰な負担をかけるため、ナイトガード（マウスピース）を使うことでインプラントへの負担を軽減できます。
これらの対策を日常生活に取り入れることで、インプラントを長く安定して使用できる可能性が高まります。
4. 徳島｜和田歯科医院のインプラント治療
徳島の歯医者 和田歯科医院では、機能面と見た目の調和を大切にしたインプラント治療を行っています。失った歯を補うだけでなく、自然な噛み心地や美しい口元を目指し、患者さん一人ひとりに合った治療計画を立てています。口腔外科経験を持つ歯科医師が担当し、CT検査やサージカルガイドを活用して精密な診断と治療を実施します。上部構造の作製も院内で行うため、スムーズな治療進行と細やかな調整が可能です。
【徳島の歯医者 和田歯科医院のインプラント治療の特徴】
当院のインプラント治療のポイント①：口腔外科出身の歯科医師が担当
インプラント治療は経験豊富な口腔外科出身の歯科医師が担当し、患者さんの全身状態やお口の状態を丁寧に確認したうえで治療を進めます。
当院のインプラント治療のポイント②：CTによる精密な検査と診断
CTで骨の厚みや神経の位置を正確に把握し、安全性を考慮した治療計画を立てています。より安心して治療を受けていただけるよう努めています。
当院のインプラント治療のポイント③：健康な歯を守る治療方針
周囲の天然歯をできるだけ削らず、負担を軽減する方法を検討します。患者さんの口腔環境に応じた治療を提案します。
当院のインプラント治療のポイント④：見た目と機能の両立
院内で上部構造を製作し、噛み合わせや色調を細かく調整します。自然で美しい仕上がりを目指します。
インプラント治療をご検討の方は、まずはお気軽にご相談ください。徳島で信頼できる歯医者をお探しの方に、丁寧なカウンセリングとわかりやすい説明を心がけています。
まとめ
インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎などのトラブルには十分な注意が必要です。毎日の丁寧なセルフケアと、定期的な歯医者でのメンテナンスを続けることが、長持ちの秘訣といえるでしょう。治療終了後こそが、インプラントとの付き合いの始まりです。インプラントをより長く使い続けるためにも、口全体の健康管理を意識しましょう。
徳島でインプラント治療をお考えの方は、和田歯科医院にご相談ください。
鳴門市に位置し、駐車場は15台完備。お車でも気軽にご来院いただけます。
監修：和田歯科医院 院長 和田 匡史（わだ まさし）
【経歴】
徳島県立城ノ内高校 卒業
大阪歯科大学 卒業（歯科医師免許取得）
徳島大学大学院 歯学研究科（口腔外科学講座）修了（歯学博士取得）
徳島大学歯学部第一補綴科 臨床登録医
和田歯科医院 副院長を経て、2009年より現職
2016年 医療法人和田歯科 理事長就任
厚生労働省認定 臨床研修指導医
【所属学会・スタディーグループ】
・日本口腔外科学会
・日本口腔インプラント学会
・MAAID（Mid-America Association of Implant Dentistry）
【修了セミナー】
・SJCDベーシックコース
・CERi エンド（根管治療）コース
・グローバルデンチャーシステム
・イタリア ピエゾアカデミーコース
ほか多数の国内外の研修会に参加
【専門分野】
・予防歯科・ヘルスプロモーション
・インプラント治療
・歯科と全身の健康との関係性
・歯内療法（根管治療）